ここでは様々な映画を独断と偏見でレビューしていきます。目指せ10000本!!
私の中のあなた ニック・カサヴェテス監督
2009年 アメリカ
評価 B
こんちはー。
更新期間があいてしまいまいた。
すみません。
現在東京国際映画祭、通称TIFF開催中。
今年は去年よりアクが強い映画が集まっているようです。
最近はガラス工芸にはまっています。
元々芸術が好きなのですが、中でもガラスの造形について個人的に勉強しています。
その透明度や伸縮性、そして脆さなど、他の材質とは一味もふた味も違った特徴があります。
ガラス工芸史の中でも一際輝くのは、
ベネチアン・ガラス黎明期からと、アール・ヌーヴォー、アール・デコでしょう。
ベネチアン・ガラスは地域に根ざした発達でしたが、
アール・ヌーヴォーは時代が作ったといえます。
というか、一人の天才「エミール・ガレ」によって成立していました。
その後ビジネス上手なドーム社が追随していく形になりますが、
この頃のガラス製品は総じて美しい。
世界的にも、市場的にも、ガラスが「芸術品」としての価値を確立した時でした。
紀元前何千年前という時代に生み出されたガラスですが、
整形の方法、材質の変化などを経て、変わり続けました。
それが工芸ではなく芸術として結実したのは、つい100年前くらいのことす。
もしかしたら映画もそうなるのかもしれません。
ジョディ・ピコーの世界的ベストセラー小説『わたしのなかのあなた』をキャメロン・ディアス主演で映画化した感動の家族ドラマ。白血病の姉を救うドナーとなるべく遺伝子操作で生まれてきた少女が、ある決意を胸にもう姉のドナーにはならないと両親を訴えたことから崩壊の危機に直面した家族のそれぞれの心の葛藤とその行方を切なくも優しい眼差しで描き出す。共演に「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン。監督は「ジョンQ-最後の決断-」「きみに読む物語」のニック・カサヴェテス。
サラとブライアンのフィッツジェラルド夫妻は長男ジェシー、長女ケイトとの4人家族で幸せに暮らしていた。しかし、ケイトが2歳の時、白血病に冒されているが発覚する。そこで両親は未来ある娘の生命を救うため、遺伝子操作によってドナーにぴったりの新たな子供を“創る”ことを決断する。こうして生まれてきた次女アナは、幼い頃からケイトの治療のために何度も手術台に上がり、過酷な犠牲を払ってきた。ところがある日突然、11歳のアナは自ら弁護士を雇い、大好きな姉ケイトへの腎臓の提供を拒んで両親を訴えるという驚くべき行動に出る。ケイトを助けることが人生の全てとなっていたサラは、アナの思いがけない決断に激しく動揺し激怒する。そしてついに、愛し合う親子は、法廷の場で対決することになってしまうのだったが…。
「ジョンQ」のニック・カサヴェテスがメガホンを執った最新作。
キャメロン・ディアスが意外と好演している。
というか、キャメロン・ディアスのキャラクターにマッチした演技しかさせていないのでそれが功を奏している。
当初は「また白血病ドナーものかよ。命を軽く見やがって」と思っていましたが、
それは大間違い。
内容的には非常に重みのある作品でした。
この作品の巧妙さは、映画的視点を持っていない人全般へのアプローチです。
僕はこの時点で対象から外れたと勝手に思っています。
この映画、恋空が好きな人も、恋空を馬鹿にする人も、同時に楽しませることが出来ているんです。
とにかく万人を泣かせる構成が上手い。
これは買い付けた人と、邦題をつけた人のプロモーション能力に賛辞。
そして、先に言っておくと、カットは凡庸。
技術的な面でいけば、何にもいいところはない。
一つ言うなら、全体的に青い色味で統一していったことかな。
これは映画に合っていたよ。
あとはジェシーが夜の街を徘徊するとこ。
ここは撮影監督が好き勝手やった感じでよい。
「オチ」的な部分で言うと、読めてしまうかもしれないが、そこはご愛嬌。
死の近い人が、非常に落ち着いていて悟っている感じなのが良い。
白血病の姉が自分の病気のために様々な人に犠牲を強いてきたことを
懺悔というか、申し訳ないと思うシーンがあるのだが、ここがミソ。
死期が迫っている人というのは、どこまで優しくされる権利があるのか。
どこまで周りに犠牲を強いることを許されるのか。
そういう風に考える人がいるかもしれん。
だが、それは違う。
「どこまで周りが犠牲になろうと思えるか」で、病気の人の価値は決まるのではないかな。
受動的に捧げるのではなく、
「あなたの命がわずかなら、私の生活や仕事がダメになっても、一緒にいたい」
と思えるかどうかが大切なんじゃないか?
その点の描き方が、ものすごく上手だった。
家族は結局のところ全員が姉のために自分を犠牲にしていた。
姉はそうしたくなるような人だった。
人生何十年かあるけども、病魔というどうしようもない原因で死が自分に近づくとき、
人の価値は出るのかもしれん。
あれだけしてもらった姉は、良い人生だったと思えることでしょう。
演出としてよかったのは、姉が死にそうなとき、
どうでも良い親戚がお見舞いにくるとこ。
彼らは無責任に「絶対に生きれると思うんだよ」とか、
「祈ったら病気が治ったって事例があるの」とか言っちゃう。
対して姉の家族はかける言葉なし。
ここは良いですな。
あと、キャメロンが怒りっぱなしなんだが、
たった一度だけ泣くシーンがあり、
ここは感情の盛り上がりとしては上手。
英語が早めに読めれば、
姉の丸秘ノートの内容がよく分かって面白い。
ちなみに一人で観にいくと、
鑑賞後に感情の昂ぶった周りの人と仲良くなれるかも。
しかし構成とか映画の設計図にばかり気持ちがいってしまって、
結局ウルウルともしなかった・・・
これは不幸だ。
★こんな人に
映画オタクを除く全ての人
★映画のお供
ハンカチ