ここでは様々な映画を独断と偏見でレビューしていきます。目指せ10000本!!

精神 B+ 岡田

精神 想田和弘監督
2009年 日本


評価 B+


「観察映画」名を打ってはいるものの、そこには強かな演出が光る。ドキュメンタリーの秀作。

ハロー、マイベイビーたち。
昨日はクソ暑かったけど、浅草に行って横浜をぶらぶらしてきたよ。
臨港パークで夕日が見えたのだが、あれは非常に映画的な瞬間なのであった。
そこで夕日を見てる人々は誰も彼も一人じゃなく連れがいた。
孤独でなく、夕日を見る心があり、きっとお金にもそこまで困っていない人たちだな。
何もかも持っているじゃないか。
それ以上何を望むんだ。
人々も含めて、美しい情景だったな。
ちょうど空が橙と藍の真っ二つに分かれている瞬間や、
徐々に闇が侵食してゆく感じもよかった。
あれはどんなカメラでも撮れん。
例えばそこに孤独を抱えた老人が歩いているだけでも、
十分映画になるのですね。
時間的コンテクストから脱出しているという意味で、
その映像はなかなかに興味深いものになるでしょう。

僕はやはり観客が心を動かす「中身」というものを大切にしたいね。
それは度肝を抜く映像や、深みのある比喩表現によって彩られた、
「中身」でなくちゃいけないんだ、僕にとっては。
映像本位でなく、なんといっても感情を動かすもの。

しかし腹が痛い。
明らかに昨晩のパスタのせいじゃねーか。
くそ、訴えてやる。
まずかったしさぁ。







精神。
“観察映画”と銘打ち、ナレーションや音楽を一切排して対象を描ききった「選挙」の想田和弘監督が、観察映画第2弾として、“こころの病”を抱えた人々にカメラを向けたドキュメンタリー。山本昌知医師が代表を務める外来の精神科診療所“こらーる岡山”にカメラを据え、様々な理由でそこにやって来る患者たちの悲喜こもごもの人間模様をありのままかつ真摯に見つめ、山本医師の地道な活動の様子ともに、一般にタブー視されがちな精神病についての偏見や壁を取り払いつつ、改めて観る者にその考える材料を提供していく。


「こらーる岡山」というボロい精神病院のドキュメンタリー。
先生は人格者なんだけど、爺さんなのね。
ものすごく信頼されてるのさ。
通う患者さんたちはみんな先生だけを頼りにしてんだわな。
先生の給料はなんと10万円だけ!
なんという医者っぷり。
その辺の事情もカットせず挟みこむ辺り、
確信犯だよなぁと思った。

途中に挟まる蜘蛛の糸に吊るされた枯葉がクルクルなるショット。
何度も出てくるんだけど、これは非常に比喩的でよい。
こういうのをしっかり入れてくるところとか、
もうただの「観察映画」でなくしっかりした主張のある映画だと分かる。
おばちゃんが喋ってるときもダンゴ虫を写したりな。
確実に狙ってるんだよ。

あと、最後の爺さん。
爺さんは公的機関に電話して補助をお願いしようとするんだけど、全部だめ。
頼るところは「こらーる岡山」しかなくなる。
住民票自体がないんだな。
それはきっと障害者で、しかも身寄りがなかったからだろう。
ここに映画の主張はあるよね。
まぁざっくり言っちゃえば政治的イデオロギーを持つジャーナリスティックな映画だよ。

「観察映画」と言ってはいるものの、実際のところは構成もものすごくしっかりしてる。
ファーストショットはロングで、引き込むのにピッタリな患者を出してくるし。
カメラを持っている「人」がいて、映像を後で「編集」する人がいる限り、
「真の観察映画」にはならない。
ただ観察映画なら監視カメラの映像でいいわけだ。
撮り手もいない、編集もない。
だからこれは優れたドキュメンタリーであるけど、
事実を写しただけの観察映画ではない。
寧ろ強烈な主張をしてる。

非常につくりがしっかりしているので、
観ても損はないと思う。

「カット!」っていうおじさんの紙一重感が好きでした。
本当はとても頭のいい人なんだろうな。


エンドロールではちょっとした衝撃もあります。

★こんな人に
ジャーナリスティックな映画好き
ドキュメンタリー好き
医者、医者を目指す人
恋空に感動した人(学べ)


★映画のお供
大量の薬



Last updated at :2009/07/20(Mon) 21:32
Publish at :2009/07/20(Mon) 11:22

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