ここでは様々な映画を独断と偏見でレビューしていきます。目指せ10000本!!

記憶が失われた時 B 岡田

記憶が失われた時 是枝裕和監督
1996年 日本

評価 B

横浜がやっと撮り終わった…
季節はずれだけどクリスマスソングを聴いてます。
好きなんだよね、あの季節。
クリスマスがきたらまた書こうかな。
夏も好きだけど、夏はそんなに長くなくていい。
今年のクリスマスには彼女がいるといいんだけど。
あーあ、明日はジャッキー・チェンの取材だよ・・・行きたくないなぁ。
しかも会見じゃなくてプレミアだから人たくさんいるんだろうなぁ。
しかも!一人で行けってさ。
あれって待ち時間一時間半くらいあるんだぜ?
何して過ごそうかねぇ・・・だっりぃーーーー。
話す相手がいればずいぶん楽にやれるんだけどな。

はい、是枝監督の作品。
まぁ聞いたことない方も多いでしょう。
何故ならこれは映画として公開されたのではなくてNHKのドキュメンタリーとして発表されたものだから。
なんか知らんけど観ることになったから(3回目)、レビューしてみようかと。

まずは何のドキュメンタリーか。
これは前向性健忘っつー病気・・・というか後遺症の人の話。
どんな症状かというとですね、記憶が積み重ねられない人の話なんです。
例えば僕らの記憶は朝飯はなんだったとか、そーいや今日あいつこんなこと言ってたとか、そんな断片の集合から成立している。
この人の場合は、30分程度しか記憶が持たない。
ある地点、手術までの記憶は全て揃っているんだけど、
その後は記憶が積み重ねられない。
具体的にどんなことが起きるかというと、「今日は息子と朝飯を食べたっけ」とか、「今息子は何年生なんだっけ」とか「いつ僕は退院したの」とか、そんな感じ。
とても残酷なのは、彼の記憶は退院したのが数ヶ月前と思ったり、息子が小学2年生の時点で止まっているために、「今は3年だよ」といわれるとショックを受けてしまうこと。これが延々と毎日、毎時間繰り返されていること。

例えば彼は道を覚えられないから、昔からよく知っていた場所以外にはいけない。息子が3年と聞けば毎回驚く。取材班は何回来ても毎回同じ自己紹介をする。

30分前のことを覚えていないというのは、かなりすごい。
そのときの気持ちも完全に忘れてしまうのだ。
それは、彼から人間らしさを奪ってしまったように感じた。

ある時点からの記憶がほぼない。
なかなか想像が難しいかもしれないけど、そーゆー人のドキュメンタリーです。

こうなった原因は病院が胃の手術後にビタミン剤の投与を怠ったことで引き起こしてしまったことらしい。
厚労省と医師のどちらに責任があるのかは微妙な問題だね。

とにかく記憶を積み重ねられないというのはある意味で残酷なことだ。
とても面白い、参考になる作品だと思う。

是枝さんは人間を撮るのが抜群に上手くて、非常に温かみのある作品に仕上がっている。
影を撮ったり、モノを撮ったりするんだけど、それが効いている。
こーやってドキュメンタリーって撮るんだな・・・と感心させられる。

最後の終わり方はNHKらしく綺麗に希望を残す漢字で終わらせているんだけど、是枝さん本人は違うように終わらせるつもりだったらしい。
テレビクルーが何百回目かの自己紹介をするシーンで終わらせようと考えていたのだ。個人的には絶対にそちらの方が良かったと思う。
記憶できないことの象徴だし。

なかなか入手しづらいかもしれないけど、内容も演出や構成も一見の価値アリ、な作品です。

特に構成は卓越された技術だし、かなり勉強になります。


Last updated at :2008/07/19(Sat) 22:39
Publish at :2008/07/09(Wed) 00:39

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